その一方で、丹精込めて作り上げた生地が、
取引先の手で製品となり、消費者に渡り、
そしてどんなに喜ばれているかを伝え聞いても、
それを素直に喜ぶことのできない、ある「もどかしさ」が
私たちの心の中に蓄積していきました。

「自社の生地を、自社で製品にして、そして世に送り出したい」

それは社長・小川の強い思いであり、そして社全体の思いでもありました。
生地の持ち味を一番良く知るのは他ならぬ私達。
後はそれをひき出し、製品づくりに活かすことのできる人材、
小川商事のこだわりの職人魂と想いを同じくする人材、
それさえ見つかれば、道は開けるはず・・・。
長年だった夢に、手が届くように思われました。

しかしそんな矢先、小川が脳梗塞で倒れてしまいます。
思うに任せぬ体と、叶わぬ夢。
もどかしさだけを募らせる日々を、また過ごすようになりました。